日本の成人の8割が歯周病!?｜歯に関するコラム | ブログ一覧

3回に渡る根管治療に続き、今回から初期治療の１つ、歯周病治療についてです。

歯周病という言葉は割と世間の間でもポピュラーに「歯周病」という言葉よりも「歯槽膿漏」という言葉の方がご存じの方も多いかもしれません。ちなみに、「歯槽膿漏」というのは歯周病でもかなり悪い状態のことをいいます。腫瘍でいうなら、「悪性腫瘍」つまり「ガン」を知っているという感じです。悪い状態の言葉を知って頂くのも大事ですが、それよりも「歯肉炎」という歯周病で一番軽い状態の言葉を知って頂いて、その一番軽い歯肉炎にならないようになって頂いた方がいいかと思います。というわけで、歯周病について何回かに分けて書かせて頂きます。

歯周病というのは字の通り、「歯の周りの病気」です。つまり、歯茎（はぐき、専門用語では歯肉（しにく）と言います）と歯をささえている骨の病気です。

歯を磨かないと虫歯になりますが、歯の周りではどうなるのでしょうか？

上の図は歯周病にかかっていない状態から悪い状態に変わる一連の流れを示したものです。

そうです。はじめは歯ぐきが腫れて血が出るようになり、次第に歯の周りの骨がだんだん溶ける（とける）病気です。打撲などで骨折をしても複雑なものでない限り治りますが、歯周病でとけた骨はほとんどがなおりません。

よく「歯を磨かないと虫歯になるよ」と言いますが、「歯を磨かないと歯周病になるよ」とは聞かないですよね？しかし、日本の成人の8割が歯周病はかかっていると言われ、しかも40代以降では歯を失う原因の1位は歯周病によるもの。ほとんどの方がかかっている病気なのに、正しく認知されていないっていうのは怖いことではないでしょうか？

しかし、朗報です。この歯周病は予防したり、進行を防ぐことができるのです。つまり、今の状態よりは悪くならないことがある程度可能なのです。がんばって治療に通ったら良くなるって希望が湧いてこないですか？正しい知識を知って、よく理解し、歯周病にならないようになってもらいたいと思います。

次回では、歯周病の原因について説明させてもらいます。